ゆっくり着実に

ゆっくり着実が成功の素

僕がどのように獣医師国家試験勉強をしたのか書いてみる。

注意点

この勉強法は自分がどのようにしたのかを書いているだけなので、この通りにすればうかるとかそういったものではありません。

国家試験の勉強はみんなと同じ事をすればうかるので、みんなと同じように勉強をすることが合格の近道です。

参考程度にお読みください。

 (みんなと同じ事ではないと思う。こんなに激しくパソコンを使って勉強している人を自分は聞いたことがない。だから、ある程度以上パソコンが使えるよ―って人は手法を真似てみたり自分なりにアレンジしてみたりしてみてください。でも、王道からは逸れていないとは自分なりには思う。)

 

まずいちばん初めに

とにかく規則正しく生活を送る。一夜漬けとかしても無駄。ほぼ3ヶ月毎日勉強するんだから、規則正しい生活の中に勉強をするという日課を組み込んで行く事。

勉強はみんなと同じようにする。最初の頃はみんななんでこんなにムキになって勉強してるの?という感覚を抱くけどそれぐらい勉強しないとうかりません。とにかくみんなと同じように勉強しましょう。一人で勉強すると甘えが出るのでできればみんなで勉強すべきです。みんなでワイワイ勉強するとかそういうのではなくて、あいつが勉強してるから俺も勉強しなきゃみたいなことです。

 

卒論が終わってから国試までのことをダラダラ書いてみる

うちの大学は卒論発表会が10月末〜11月始めころにある。卒論発表会が終わるとみんな人が変わったように勉強を始める。そりゃ自分の人生が掛かってるんだ。必死に勉強する。「国家試験に受からなければただの人」とか言ってる奴もいてプレッシャーを感じる。本当にみんな夜遅くまで勉強する。いつご飯食べてるの?寝てる?ってくらい。うちの大学では総合獣医という国家試験よりちょっと難しい国試問題っぽい試験が12月中旬くらいにあって、これに受かれば間違いないと言われるからとにかく国試よりも総合獣医の勉強をする。といっても国試の勉強と何ら変わりはない。

最初は「北大まとめ」を一通り勉強した。全部を2週間くらいでどんな科目があったかをおさらいするぐらいの気持ちでさらっと流す。卒論発表会が終わると一日一科目ずつの特別講義があるからその勢いに乗って一日一科目ずつどんどん流して北大まとめでおさらいする。

そうそう、国試勉強始まるまでの自分の勉強法はとにかく書いて覚えるみたいなスタンスだったんだけど、国試では書いているととにかく時間が間に合わないから、おざなりに蛍光ペンを片手にどんどん読み流していった。気になったところとかはなるべく調べるようにした。わかんなかったら聞いたりしてた。国試勉強始めのころはモチベーション上げるのが辛くて何かないかなと思って@さんの日記で紹介されているiTaskTimerを使って勉強のログを取るとともにしっかりとメリハリをつけた勉強をした。実際にログを取ってみると以下の写真みたいになる。

f:id:nayamuwa:20121128180406j:plain

総合獣医の1.5週間前くらいから実際に総合獣医の過去問を解いていった。もう全然解けなくて笑った。間違ったところわかんなかったところを「北大まとめ」とか教科書、アトラスを見て探しまくった。有難いことに先輩から頂いた国試の勉強用ということでもらっていたデータの中に、総合獣医の過去問解説みたいなのがあったので救われた。なかったら死んでたと思う。そんなこんなで総合獣医は乗り切ることができた。

 

総合獣医を通して自分が学んだことは「調べている時間≠勉強時間」国試と違って先生ごと、分野ごとの出題となっている総合獣医はいいが、国試は分野がある程度バラバラに出題されているので、調べるにしても膨大な時間がかかってしまう。調べてる時間って本当に何にも頭に残ってなくて、こんなんで間に合うの?と焦った。

そして、北大まとめは一通り終わっていたのだけど、まだ足りないという不安感を抱き、周りの頭のいい奴らが「日獣まとめ」を推してきたり、「日獣まとめ」で勉強してたので自分も「日獣まとめ」を遅れを取り戻すようにどんどん勉強した。この頃には「北大まとめ」はもうどこに何が書いてあるかとかわかってきてたので、思い切って裁断してpdfにしてしまった。これが思いの外良くて、調べる時間がぐんと短縮できた。調子に乗って教科書や授業で使っていたプリントなんかもお昼ごはんを食べながら毎日毎日pdfにしていった。日獣まとめを勉強していってわかんないこと、ふと頭に引っかかったことをMacのSpotlightで検索しまくった。(説明不足だったかもしれないけど、北大まとめとか教科書を自炊→pdfにしてOCRかける→適当にフォルダに入れて整理するかEvernoteに入れて整理するその流れのあとにSpotlight検索がある。)そしてそれを日獣まとめの狭い余白にどんどん書き込んでいった。なんやかんやしているうちに日獣まとめも良い感じに攻略できて、教科書と参考書も良い感じにpdfになって検索できるようになっていった。大体ここまでで総合獣医が終わってから1週間くらいだった。日獣まとめには自分がポイントみたいなことが書いてあるから見直しするだけでも復習になるし、より記憶が定着化しやすくなる。

そして国家試験の過去問に取り組むわけだ。9割近く受かるんだからそんなに難しくないだろとか思ってた俺は真っ青になった。国家試験の問題は多角的に問題が作ってあったりして案外難しい。とにかく過去問を解いていって凹んだ。年によってばらつきがあって簡単な年なんかで自信を維持してた。

過去問の解き方なんだけど、自分は1日で1年分解いてその日のうちに全部調べてた。それが出来たのは確実にデータ化した北大まとめと教科書たちのおかげだ。人によっては1年分1週間かかったとか聞いて驚いた。わかんないのは友だちに聞いた。マジで一人で勉強しない方がいい。気軽に聞けるように自分はGoogle talk使ってたりした。わかんないところ、モヤモヤするところをなるべく残さないようにした。(今風だったらLINEを使うかな?でも、LINEはログが残らないからGoogle Talkを使うかな。Google TalkのログでさえEvernoteに入れて検索できるようにしてた。)

問題は自分で解答用紙を作ってそれに解答していき丸付けした。なぜかそれまでスキャンしてEvernoteにつっこんだりしていた。間違った問題は国試問題がpdfで配布されているのでそれをSkitchでキャプチャしてEvernoteに入れてその下に簡単な解説なんかを書いてどんどん貯めていった(Skitchとか慣れてない人はかえって、こんなことをしていることが時間のロスになるから、自分が合う方法を見つけて行うこと。君たちの時間は有限です。)。過去問を解いて直しているときにA4の紙にあんまり時間をかけないで自分だけがわかればいい解説を書いていった。自分の時のあまりの汚さに悲しくなるが一応どんな感じか晒しておく。

f:id:nayamuwa:20121128183444j:plain

その自分なりの解説もスキャンしてEvernoteに入れておいた。

(もちろん俺の汚い字はEvernoteくんがOCRで認識してくれたりはしない。)

 

過去問を解いていて本番に挑めるくらいの能力を持っていても初見の国試問題は多分8割以上はキツい。全体で初見9割いく年なんかはみんなもいってたりする。あと2割を極めようとするとありえないくらい労力を要する。調べてもわかんない問題なんてのも中には多く含まれている。みんなナーバスになってるからマニアックなことばかりを勉強し始める人がいる。その必要性は自分は感じなかった。とにかく6割取れればいいんだ。国試の勉強してて6割目指して勉強するのはさすがにないと思うが、とにかくみんなが取れる8割の問題を確実に取れることが重要。8割取るにはまず捨てるのを止める。魚病捨てたとか寄生虫捨てたとか甘えない。とにかく覚える。

 

一通り過去問を解いたら他の大学の国家試験の模試なんかも解いたりしていた。

1月頃にはややマンネリ化してくる。そこでもう1回国試問題を解いたり、Evernoteに貯めた間違えた問題集を回していた。自分で気になったものも問題にしてどんどん貯めていった。1回目の解答とか解説がEvernoteに入ってるから2回目からはかなり早く解けるようになる。そして2回目なのに点数が思ったよりも取れない挫折感を味わう。9割硬いとか思ってても結構ギリギリだったりする。そんなこんなでEvernote問題集の重要性が身に染みてくる。EvernoteにしてもMacの中をSpotlightで探すにしてもいろいろな科目を引っ掛けてきてくれるからどんどん知識が多角化していって定着化できるようになってくる。インスリンってキーワードを生理学だけで終わらせないで、生理学、薬理学、内科学と雪だるま式につなげていく。試しに自分のEvernoteでインスリンと検索したらキシラジンを投与した時に認められる所見ってのがヒットした。キシラジンを投与するとインスリン分泌が低下して血糖上昇が認められるって。生理学でインスリンの復習してるのではキシラジンの血糖上昇にたどり着くことはほぼ不可能だろう。

(他には低Ca血症に伴うインスリン分泌の減少とかインスリンの影響を受けない細胞とかアラキドン酸カスケード、アドレナリンβ受容体、ソモギ―効果とかが出てきた。)

今の国家試験の問題は一つの科目に拘らない問題が出てきているからこういう風な知識の結びつけが重要になってくる。

あとは日々、国家試験まで淡々と勉強をして行った。日々の積み重ねが重要でどんどん忘れていくから、定期的に復習をするようにした。

そんなこんなで国家試験は無事に合格した。

 

 まとめ

国家試験までの勉強は長い。本当にマラソンを走っているかのように長い。(実際に、国試勉強を始める前に、国試勉強で粘れる体づくりとか思ってランニングを習慣化し、ハーフマラソン大会にも出たりした。マラソンと同じで本当に地道に練習をコツコツ積み重ねていくことが重要。)その道は時には単調で時には険しいけれどもとにかく勉強をすることを如何に早く習慣化するか、みんなが解ける問題が解けるようになっているかということが重要である。みんなが解ける問題を解けるようになればいいのだからみんなと同じことをすれば良い。自分の勉強法は物凄くMacに頼ったが、このやり方が万人に向いてるとも思わない。というか、日常的にMacとかEvernoteとかを使っている人じゃないとこんなに使いこなせないと思う。とにかく小手先のテクニックに走らずにしっかりと獣医学と向き合って勉強をすることが合格への道だ。人生で唯一の獣医学をしっかりと復習できる機会なのだから、しっかりと獣医学に浸ってください。健闘を祈る。

 

 

P.S.ふと思ったこと

Evernoteって共有ノートブックとかでノートを共有したりできるけど、そんなことしたってあんま自分のためにも相手のためにもならないと自分は思う。だって、その人の記憶にしっかり定着化していることって人によって違うし、覚え方だって人によって違う。そんなことより友だちに聞かれたら小手先だけじゃなくってしっかりと説明してあげた方が自分のためにも相手のためにもなる。

あと、Dropboxを使って参考書を共有したりとか、配布しちゃダメよ!それが何故かはそんな高度なことをしている君はわかっているはずだ。